同和問題

更新日 令和6年1月24日

わが国社会の歴史的発展の過程で形づくられた身分的差別により、日本国民の一部の人々が長い間、経済的・社会的・文化的に低い状態を強いられてきました。これらの人々は結婚や就職、その他日常生活の上でいろいろな差別を受けてきました。これが「同和問題」と言われるもので、人権問題の中でも重大な社会問題となっています。

まだ残る差別意識

今日の日本社会には、まだ、出生地や家柄などを重視する封建的社会の因習が残されていて、こうしたことにこだわるものの見方、考え方が、差別を許す社会をつくっているともいえます。そのような社会の中では、差別することはいけないことだと思っていても、世間体などにとらわれて、まちがった判断をしがちです。
私たちは、因習を無批判に受け入れるのではなく、冷静に科学的な目で見て、自分の周囲から差別と偏見をなくしていくことが大切です。

結婚差別

若い男女が愛し合い、結婚しようと思っても、同和地区出身者と言うだけの理由で両親や親戚に反対されるなどして破談になったり、結婚を強行しても親子の付き合いや、親戚づきあいを断られたりすること

同和問題の起こり

同和問題は、中世末期から近世初期において、封建制度が確立されていく過程の中で、時の支配者がその体制を維持・強化するために、「士農工商」という身分と「えた・ひにん」などと呼ばれるさらに低い身分を作ったことがその始まりと言われています。そうすることによって、重い年貢で苦しんでいる農民たちの幕府に対する不満をそらそうとしたのです。
こうした低い身分に置かれた人々は、職業・住居・婚姻・交際・服装等にいたるまで日常生活のありとあらゆる面で制限されるなど厳しい差別扱いを受け、人格をふみにじられていました。
その低い身分に置かれた人たちが強制的に住まわせられたところを被差別部落、または同和地区といいます。
現在では、明治4年に出された解放令以来、当然のことながら、江戸時代の身分制度はなくなっていますが、それにもかかわらず、今なお様々な社会的不利益を受け、人間としての誇りを傷つけられている人々がいるのです。
差別を解消するためには、同和問題がどうして起こったのか私たち一人ひとりが正しく理解し、解決に向けて努力することが大切です。
同和問題は、同和地区に生まれた人たちだけの問題ではなくわが国が抱える重要な人権問題のひとつなのです。

えせ同和行為にご注意ください

同和問題の解決を妨げ、新たな差別意識を生む要因の一つに「えせ同和行為」の横行があります。
「えせ同和行為」とは、同和問題を口実にして、何らかの利権を得るため、企業や行政機関などへ不当な圧力をかけることをいいます。
えせ同和行為は、これまで同和問題解決のために実施してきた啓発の効果を一挙にくつがえし、同和問題に対する誤った意識を植え付ける大きな要因になっています。
えせ同和行為を排除するためには、不当な要求は断固として断り、不当な行為については法的な処置をとるなど毅然とした態度をとることが重要であり、そのためには同和問題を正しく理解しておくことが大切です。

対応にあたっての留意点(組織内での)

  1. 不当な要求には勇気をもって断固として拒否すること。その場しのぎの安易な妥協はしないこと。
  2. 団体の役員等を名乗っているからと言ってこわがらず、相手の要求内容を的確に把握するよう心がけること。
  3. 決して一人では会わず、複数で会うこと(幹部は原則として対応しないこと)。
  4. 対応は密室で行わず、後で言いがかりをつけられないよう詳細に記録しておくこと。録音等の方法も効果的である。
  5. 最初の応対のちょっとした誤りが事件を拡大させるので同和問題について十分な理解を持ち、相手につけいるすきを与えないこと。
  6. えせ同和行為を行う者自身、刑事事件となることを恐れているものであるから、激しい言葉があっても恐れず対処すること。なお、暴力行為があった場合にはすぐに警察に通報すること。

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