2.茨城県の情報化施策


(1)茨城県内における情報化の現状

茨城県内におけるインターネットの人口普及率は,平成14年3月時点で37.3%であり,全国平均と比較すると若干上回っており,首都圏では,東京都,山梨県,神奈川県に次いで第4番目の普及率です [1]

DSL加入者数とケーブルTV [a] (以下,「CATV」)インターネット加入者数の合計値を世帯数で除したブロードバンド通信の世帯普及率は,茨城県内では3.8%と非常に低く,全国平均7.3%を大きく下回っているのが現状です。首都圏内で比較しても群馬県に次いで低い状況です [2]

携帯電話及びPHSの加入者数を人口で除した携帯電話人口普及率は,茨城県では51.9%であり,2人に1人が携帯電話端末を所有している割合となっています。全国平均は54.7%となっていますが,東京都にいたっては,79.8%の普及率となっています [3]

なお,携帯電話を利用し,インターネットに接続している携帯インターネット人口普及率は,茨城県の場合,19.2%となっており,全国平均の19.9%とほぼかわりません。東京都の場合は,25.1%の普及率であり,4人に1人が携帯電話端末を利用し,インターネットに接続できる環境を整えていることが読み取れます [4]

以上のことから,茨城県内におけるダイヤルアップ接続や携帯電話を利用したインターネット接続状況は,全国あるいは首都圏と比較しても遜色がないことがわかります。

しかしながら,ブロードバンド通信サービスの普及が全国平均と比較してもかなり出遅れており,CATV網を利用したインターネット接続サービスの事業者数が少ない(平成14年8月末時点で茨城県内には4社のみ [5] )ことも一因となっていると思われます。


 


 


今後,インターネットを利用した高速で大容量のコンテンツを送受信する様々なサービスが市場に導入されることから,茨城県内でも早急にブロードバンド通信サービス等の内容の拡充及び整備が望まれているところです。


(2)   「茨城県IT戦略推進アクションプラン

茨城県も例外ではなく,県民や事業者に対する行政サービスのIT化を迫られており,「いつでも・どこでも」,「高齢者・障害者に優しい」,「便利・効率」といったITの特性を行政サービスに適用し,出先機関の集約化(広域統合),業務の複合化(業務統合),新サービス対応(電子化特有性)等を推進していく必要があります。

そこで,茨城県情報政策課IT推進室は,平成14年3月に「茨城県IT戦略推進アクションプラン」 [6] を策定・公表しました。計画期間は,平成13年度から平成17年度までの5か年ですが,予算や政策評価との連携を図りながら,毎年見直しを行うこととし,柔軟かつ機動的な事業展開を図っていくこととしています。

具体的には,以下のような5つの大目標が掲げられています。

@       情報通信基盤の整備

A       豊かな暮らしの創出

B       産業の振興方策

C       電子県庁の構築

D       学校教育の情報化と人材育成

また,既存の行政単位にとどまらない広域化やフラット化が求められている現在の状況下においては,市町村との連携も重要であることから,「いばらきブロードバンドネットワーク(仮称)」 [7] [b] の整備・運用,公共施設予約や統合型GIS [8] [c] 等といった共通システムの整備・運用,国のIT施策(総合行政ネットワーク(LGWAN),公的個人認証 [d] 等) [9] に対応する共通施策の推進を目指していくとしています。

なお,原則として,全体を通じて,情報バリアフリー化 [e] や情報格差是正,個人情報保護,セキュリティに配慮することとしています。


(3)   「つくばスマートコリドール構想」

つくばスマートコリドール構想 [10] (旧:つくば情報交流空間整備構想))は,茨城県が平成11年3月に策定した「茨城県高度情報化推進計画」において,先導的プロジェクトとして位置付けられたものです。

 


つくばエクスプレス沿線開発地区 [11] [f] ,メディアパークシティ [12] [g] 等において,人口や産業の定着を図るため,快適な住環境や情報通信基盤の整った環境を創出し,未来型の情報都市の構築をめざすプロジェクトであり,茨城県におけるITを活用した地域振興のモデルとして策定された構想です。


構想のねらいとしては,以下の4点が掲げられています。

@       新しいライフスタイルや利便性を備えた快適な生活空間の創出

A       創造性と高い生産性を提供する業務環境の実現

B       地域の活力を高めるサイバーコミュニティ [h] 空間の創出

C       新しい街のトータルイメージづくり

また,実現目標としては,以下の4点が掲げられています。

@       新たな交流を創造するコンテンツサービスの提供

:CATV,地域ポータルサイト [i] ,ICカードシステム,エリアマネージメントサービス [j] などの提供

A       新しいライフスタイルを実現するマルチメディア住宅 [k] の整備

:マルチメディア住宅の整備を図るため,モデル住宅を整備し,実証実験を実施する。

B       構想地域全体の発展を担う大容量通信基盤の整備

:通信事業者による高速大容量通信インフラの整備の促進を図る。

C       情報交流空間の拠点となる中核施設の整備

データセンター [l] 機能,ASP [m] 機能を備えた中核施設を整備する。

なお,つくばエクスプレスの沿線に位置する守谷市も,この構想の開発対象地域になっています。




【用語解説】

[a]  ケーブルTV:テレビの有線放送サービスのこと。テレビ番組のほかに,現在では,インターネット接続や電話サービス,ビデオ・オン・デマンドなど,新たなサービスが提供されはじめている。

[b]  「いばらきブロードバンドネットワーク(仮称)」:茨城県内の84市町村を平成15年度に国内最大級の伝送容量2.4Gbpsの光ファイバーを使ってブロードバンド接続するネットワークのこと。総延長約770kmで,アクセスポイントを15カ所整備。平成15年4月に県分を,市町村分を平成15年10月に供用開始する予定。

[c]  統合型GIS:Geographic Information Systemの略。デジタル・データ化した地図上に,道路や建築物に加え,水道管,ガス管,電話線などのライフラインや,土地の所有権情報などを蓄積するシステム。国土交通省をはじめとした中央省庁が,地図データ,統計・台帳データ,デジタル画像などの連携方法の検討,GISデータの標準化といった基盤整備,各分野における基本情報データベースの構築などを進めている。

[d]  公的個人認証:国及び地方公共団体の行政手続の電子申請・届出等の手続保障を確保するために,公的機関等が電子申請等に必要な高度な本人性の確認を地理的条件等による格差が生じることなく,低廉な費用で公的機関が提供する仕組み。

[e]  情報バリアフリー:地域や年齢,身体的障害等によって情報の量や質が異なる状態を無くすこと。または,その運動までも含めた情報通信環境の総称。

[f]  つくばエクスプレス沿線開発地区:つくばと秋葉原の58.3kmを45分で結ぶ「つくばエクスプレス」の沿線に開発される地区。茨城県内には6つの新駅(守谷,伊奈谷和原,萱丸,葛城,つくば)が誕生する。それぞれの新駅周辺には,自然や田園環境を保ちつつ,先進的な研究機能,情報基盤,環境共生などの都市開発が企画されている。

[g]  メディアパークシティ:筑波郡伊奈町の東部丘陵部に,21世紀のモデルとなる高度情報都市の開発を茨城県が計画。マルチメディアなど高度情報技術を活用し,今後のリーディング産業として期待される先端的情報産業の集積を図るとともに,世界に情報発信ができる拠点都市の創造を目指している。既に,歴史公園「ワープステーション江戸」が開園済み。

[h]  サイバーコミュニティ:日常生活に関する様々な活動が情報技術(IT)を 活用して行われる場合,その生活空間の場を 「サイバーコミュニティ」と呼ぶ。

[i]  ポータルサイト:ポータルサイト:インターネットのサービスを利用する際の入り口となるサイト。ポータルとは玄関や入り口を指す。内容はサイトによって異なるが,検索エンジンやニュース,天気予報など比較的よく使う情報やサービスが束ねてあり,利用者はそのサイトから必要な情報・サービスに簡単にアクセスできるように設計されている。

[j]  エリアマネージメントサービス:個別の建物・施設ごとに行われていた,防犯管理・防災管理等のセキュリティサービス,自動検針・廃棄物管理等のユーティリティサービスなどの,管理的な性格のサービス(管理サービス)を,地域,街区といったエリアに拡張,発展させていく仕組み。

[k]  マルチメディア住宅:光ファイバケーブル,CATV,無線などの高速インターネット接続サービス等に容易に接続でき,家族全員が,同時に,どの部屋からでも,教育や医療・福祉など様々な情報サービスを受けられる通信環境を装備した住宅のこと。

[l]  データセンター:顧客企業等からの依頼を受け,データの保管・管理業務をインターネット上で行うサービス。もしくは,その場所を指す。インターネットデータセンタ(iDC)とも呼ばれる。高度なセキュリティ環境を有し,サーバーやストレージ等を大量に保管・管理する。

[m]  ASP:Application Service Providerの略。各種業務用アプリケーションソフトをデータセンター等において管理・運用し,インターネット経由で顧客(企業)が利用できるようにするサービス提供者のこと。



[1] 総務省「情報通信白書平成14年版」

http://www.johotsusintokei.soumu.go.jp/whitepaper/ja/cover/index.htm

[2] 総務省「情報通信白書平成14年版」

http://www.johotsusintokei.soumu.go.jp/whitepaper/ja/cover/index.htm

[3] 総務省「情報通信白書平成14年版」

http://www.johotsusintokei.soumu.go.jp/whitepaper/ja/cover/index.htm

[4] 総務省「情報通信白書平成14年版」

http://www.johotsusintokei.soumu.go.jp/whitepaper/ja/cover/index.htm

[8] 国土交通省

http://www.mlit.go.jp/