新春対談 スタジオ地図 齋藤優一郎× 守谷市長 松丸修久(後編)
更新日 令和7年1月10日
世界のアニメーション映画業界で大活躍しているスタジオ地図・代表取締役プロデューサーの齋藤優一郎さん。
手がける作品は数々の賞を受賞し、2024年には茨城県表彰も受賞。そんな齋藤さんと松丸市長に2025年のこと、守谷市のこと、そしてスタジオ地図の新作についても語ってもらいました。
注記:このページは対談の後編です。
松丸: 守谷高校出身ということで以前には講演にも来てくれましたね。どのような高校生活だったんですか?
齋藤: 高校では、人生最高の友人、師匠に出会えたことが大きな出来事です。高校1年の初日に、肩をたたいてくれた彼と、「これ面白いから読んでみない?」と貸してくれた小説が私の運命を変えてしまいました。
世界はこんなにも広いんだと言うことを、彼とその作品が教えてくれたんです。今でも、たまに落ち込んだとき、その友人という師匠へ会うために、守谷へ帰り、市内にあるファーストフード店で叱咤激励されています。出会いの街、励ましの街、自分を育ててくれた守谷市にはいつも感謝しています。
松丸: 若い時には見えづらかったりもするけど、そういった人との出会いは、人生を大きく変えることがあり、とても大切ですよね。
齋藤: 守谷市も私が住んでいた頃から30年の月日が経ち、当時は映画館も無かったくらい、だいぶ変わりましたよね? びっくりです(笑)
松丸: つくばエクスプレスの開通が大きな要因の一つですが、守谷は地域によって徐々に開発が進んできました。そのため、地域ごとに住んでいる世代も異なり、必要としているものも異なります。地域ごとに細かく考えていくことが、市民一人一人の幸せにつながっていくのではないかと思っています。
齋藤: 守谷市は、「住み続けたいまち」など高く評価されていますよね。緑が豊富であり、教育にも力を入れていて、市政も、市民の皆さんと一緒に新しいチャレンジをされているように見える、そこが評価されているのかなと。東京のベッドタウンとしてだけではない新しい価値をみんなで生み出している街なのだと思います。
松丸: 齋藤さんのように、世界で活躍する人が次々と守谷から生まれるといいですね。
齋藤: 変わらないものと、変化し続けるもの、この2つが共存しているのが守谷であり、これからも自分の生まれ故郷である守谷にはそうあり続けていってほしいと思っています。微力ながら、ご協力できることがあれば、ぜひさせていただきたいと思います。
松丸: ありがとうございます。ぜひよろしくお願いします。
齋藤: 昨年末に発表させていただきましたが、今年の冬に「果てしなきスカーレット」という新作を公開する予定です。既に3年という歳月を費やし、新しいチャレンジを積み重ねてきましたが、皆さんに見ていただくその日まで、恍惚と不安を抱えながら、一歩一歩、頂を目指していきたいと思っています。市長はいかがですか?
松丸: コロナを明けての2024年、やはり市民の皆さんとのコミュニケーションに空白期間があったことを改めて思い知りました。2025年は、もっと市民の皆さんと対話をして、コミュニケーションをとっていきたいと思っています。
ところで齋藤さん、気になる新作について教えてください(笑)
齋藤:「果てしなきスカーレット」は細田監督との7作目、スタジオ地図としては5作目の作品となります。クリエイティブとしても、またビジネスプロデュースとしても、これまでとは異なる大きなチャレンジをしている作品になります。混沌とする世界の中で、どうみんなが手をつなぎ合って、どのように生きていくべきなのか、そんなことを世界中の皆さんと一緒に考えるきっかけとなる作品になればいいなと思っています。ぜひ、応援をよろしくお願いします。

(C)2025 スタジオ地図
齋藤:これからの未来を生きる子どもと若者には、自分は何者なのかというアイデンティティを発見し、育て、主体性と覚悟、そして、ほとばしるバイタリティを持って、未来へと走り出すための一歩を踏み出してほしいと思っています。そしてそれを祝福する親や大人、そして社会が彼らと一緒に成長し、共に未来を創り上げていく。そんな守谷市とその未来を待ち遠しく思います。
松丸:「未来のミライ」という作品を見たときに、生命が誕生して40億年、我々一人一人はその生命の末裔で、奇跡みたいなものなのだと、改めて感じました。一人一人、一生懸命生きている中で、やりたいことに向かって努力すれば、成功も失敗もないと思っています。
齋藤: 生命という大河、大きな時間の流れの中で、私たちはそれぞれの人生のバトンを誰かから受け取り、それをまた手渡し続けてきたのだと思います。私も、次の世代にバトンをつなぐ役割があると思っています。

2025年の抱負
新作では、クリエイティブとプロデュース両面でたくさんの新しいチャレンジをしています。
ぜひ、ご覧いただけたら嬉しいです!
齋藤プロデュ―サー、ありがとうございました。
2025年スタジオ地図の新作品の成功をお祈りしています。
スタジオ地図 代表取締役・プロデューサー 齋藤優一郎
1976年生まれ、守谷市出身。米国留学後、アニメーション制作会社に入社。世界のアニメーション業界で活躍。細田守監督「時をかける少女」(2006年)、「サマーウォーズ」(2009年)をプロデュース後、
2011年、細田守と共にアニメーション映画製作会社「スタジオ地図」を設立。「おおかみこどもの雨と雪」(2012年)、「バケモノの子」(2015年)、「未来のミライ」(2018年)、「竜とそばかすの姫」(2021年)を企画・製作し、細田監督作品のプロデュースに専念。「未来のミライ」では、第91回アカデミー賞にノミネート。本人は、全米製作者組合(PGA)とアカデミーメンバー(AMPAS)にも選出された。
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