統計法
更新日 令和6年3月6日
統計法は、日本の社会経済の実態を数量的に把握する重要な手段たる官庁統計の真実性を確保し、統計の体系を整備するために、GHQの要請で来日した統計使節団の勧告に基づいて、1947年に公布された法律です。
平成19年(2007年)5月、昭和22年(1947年)以来60年ぶりに、統計の基本法が改正され、現行の統計法(平成19年法律第53号)が可決・成立し、平成21年(2009年)4月1日に全面施行されました。
基幹統計
行政機関が作成する特に重要な統計は「基幹統計」として位置付けられており、この基幹統計を中心として体系的整備を図ることとしています。
調査に答える義務
統計調査を実施し、正しい統計を得るためには、正確に回答してもらう必要があります。
回答が得られない、回答の内容が不正確・不完全であるといった事象が発生してしまった場合、正確な統計が作成できず、精度の低い統計に基づいて重要な施策を決定したり、経済情勢に関して誤った判断をすることになってしまいます。
報告義務
統計法第13条では、国の重要な統計調査である基幹統計調査について、調査の対象となる個人又は法人その他の団体に対して報告義務を規定しています。
統計法第13条
行政機関の長は、第九条第一項の承認に基づいて基幹統計調査を行う場合には、基幹統計の作成のために必要な事項について、個人又は法人その他の団体に対し報告を求めることができる。
2 前項の規定により報告を求められた者は、これを拒み、又は虚偽の報告をしてはならない。
3 第一項の規定により報告を求められた者が、未成年者(営業に関し成年者と同一の行為能力を有する者を除く。)又は成年被後見人である場合においては、その法定代理人が本人に代わって報告する義務を負う。
罰則
統計法第61条では、「基幹統計調査の報告を拒み、又は虚偽の報告をした者」に対して「50万円以下の罰金に処する」と罰則について規定しています。
統計法第61条
次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第十三条の規定に違反して、基幹統計調査の報告を拒み、又は虚偽の報告をした者
二 第十五条第一項の規定による資料の提出をせず、若しくは虚偽の資料を提出し、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者
三 第三十六条の規定により匿名データの提供を受けた者又は当該匿名データの取扱いに関する業務の委託を受けた者その他の当該委託に係る業務に従事する者若しくは従事していた者で、当該匿名データを、自己又は第三者の不正な利益を図る目的で提供し、又は盗用した者
秘密の保護
基幹統計調査の対象である個人又は法人その他の団体は、調査に回答する義務がありますが、一方で、安心して調査に協力できるよう、調査員を始めとする調査関係者に対しては、調査内容について、その秘密を保護すること(守秘義務)が規定されています。
守秘義務
統計法第41条では、「業務に関して知り得た個人又は法人その他の団体の秘密を漏らしてはならない」と規定されています。
さらに同法第40条では、「統計調査の目的以外の目的のために、当該統計調査に係る調査票情報を自ら利用し、又は提供してはならない」、同法第39条では、「情報を適正に管理するために必要な措置を講じなければならない」と、それぞれ規定されています。
このような守秘義務を徹底するために、各統計調査の調査員に対し、「調査で知り得た世帯のことは、絶対にほかの人に話さない」、「調査票が封入された封筒を受け取った場合は絶対に開けない」、「調査書類はほかの人の目に触れないように厳重に管理する」といった秘密保護の措置を講じています。
罰則
統計法第57条では、統計調査員を始めとする調査関係者に対し、守秘義務に違反した場合には罰則(2年以下の懲役又は100万円以下の罰金)が設けられています。
また、過去に統計調査に従事していた者に対しても、同様の義務と罰則が規定されています。
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