話を聴く大切さ
更新日 令和6年1月23日
生きるを支える「話を聴く大切さ」
最初に
私たちの周囲にも「死」を意識するほどの悩みを抱えたかたがいると考えられます。
皆さんの中にも、悩みごとを打ち明けられたかたがいらっしゃるのではないでしょうか。「死にたい」と思う人を減らすことができると信じて、自殺を予防する取組を一緒に進めていただきたいと願っています。
うつ病とは
以下リンクをご覧ください。
自殺の危険因子
自殺企図歴
- 自殺企図はもっとも重要な危険因子
- 自殺企図の状況、方法、意図、周囲からの反応などを検討
精神障害の既往
- 気分障害
- 離婚
- 統合失調症
- パーソナリティ障害
- アルコール依存
- 薬物乱用
サポートの不足
- 未婚
- 離婚
- 配偶者との死別
- 職場での孤立
性別
- 自殺既遂者:男>女
- 自殺未遂者:女>男
年齢
年齢が高くなるとともに自殺率も上昇
損失体験
- 経済的損失
- 地位の失墜
- 病気や怪我
- 業績不振
- 予想外の失敗
性格
- 未熟・依存的
- 衝動的
- 極端な完全主義
- 孤立・抑うつ的
- 反社会的
他者の死の影響
精神的に重要なつながりのあった人が不幸な形で死亡
事故傾性
- 事故を防ぐのに必要な措置を不注意にもとらない
- 慢性疾患への予防や医学的な助言を無視
児童虐待
小児期の心理的・身体的・性的虐待
出典 高橋祥友 「新訂増補 自殺の危険」(金剛出版2006)
自殺予防の十箇条
働き盛りの自殺を予防するためには、悩みを抱えた人が必死になって発している「救いを求める叫び」を的確にとらえて、早い段階で治療に結びつけなければなりません。
とくに注意すべき点を次の十箇条にまとめてみました。
- うつ病の症状に気をつけよう
- 原因不明の身体不調が長引く
- 酒量が増す
- 安全や健康が保てない
- 仕事の負担が急に増える、大きな失敗をする、職を失う
- 職場や家庭でのサポートが得られない
- 本人にとって価値のあるものを失う
- 重症の身体の病気にかかる
- 自殺を口にする
- 自殺未遂に及ぶ
出典 高橋祥友 「新訂増補 自殺の危険」(金剛出版2006)
自殺の直前のサイン
感情に関すること
- 感情が不安定になる
- 突然、涙ぐんだり、落ち着かなくなる、不機嫌で怒りやイライラを爆発させる
- 深刻な絶望感、孤独感、自責感、無価値観に襲われる
- これまでの抑うつ的な態度とはうって変わって、不自然なほど明るく振る舞う
- 性格が急に変わったように見える
- 周囲から差し伸べられた救いの手を拒絶するような態度に出る
- 投げやりな態度が目立つ
身体に関すること
- 極端に食欲がなくなり、体重が減少する
- 不眠がちになる
- さまざまな身体的な不調を訴える
行動に関すること
- 周囲からのサポートを失う、近親者や知人の死亡を経験する
- 突然の家出、放浪、失踪
- 身なりに構わなくなる
- これまでに関心のあったことに対して興味を失う
- 仕事の業績が急に落ちる、職場を休みがちになる
- 交際が減り、ひきこもりがちになる
- 過度に危険な行為に及ぶ、重大な事故につながるような行動を繰り返す
- 大切にしていたものを整理したり、誰かにあげてしまう
- アルコールや薬物を乱用する
死に関すること
- 自殺をほのめかす
- 「知っている人がいない所に行きたい」、「夜眠ったら、もう二度と目が覚めなければいい」などと言う
- 長い間会っていなかった知人に会いに行く
- 自殺についてはっきりと話す
- 遺書を用意する
- 自殺の計画を立てる
- 手段を用意する
- 自殺する予定の場所を下見に行く
- 自殺行為に及ぶ
引用:高橋祥友「新訂 増補 自殺の危険」(金剛出版2006)
「死にたい」と打ち明けられたら
「打ち明け先としてあなたが選ばれた」ということを受け止めて、話をはぐらかさず、本人の訴えに耳を傾けましょう。
つらい心境をじっくり聴いてもらうことによって、本人の気持ちは楽になります。
「傾聴」のポイント
- 真剣な態度で「自殺」のことを聴く、話す
- 相手のペースに合わせる、急かさない
- 共感を伝える
例 「つらかったね」、「よく耐えてきたね」、「何と言ってよいかわからないくらいです」 - 本人を責めたり、叱咤激励したり、世間一般の常識を押し付けたりすることは避ける
例 「がんばれ」、「命を粗末にするな」、「逃げてはだめ」、「そのうちどうにかなるよ」 - 話をそらさずに、本人の気持ちを十分に受け止めたうえで、「自殺しない約束」をかわす
- 本人から体調の話が出たときは、不眠、食欲の低下、気分の落ち込み等の症状は、治療でよくなることを伝える
- 医療機関、保健所、保健センター、弁護士などの専門機関に相談するように勧める。
相談機関につなぐときのポイントは
自殺の危険性を感じた場合、「後でゆっくり相談しよう」などと後回しにせず、その場で話を聞き、必要な場合は相談機関へつなぐことが大切です。
本人が直接相談できる場合と、家族がつなぎ役として相談機関へ連絡をする場合があります。
相談機関へコンタクトする時のポイント
- 確認したいことや相談したいことを、事前に相談機関に電話などで連絡しておく
- 相談内容の要点を伝えるようにする。相談機関へ提供する個人情報は、必要最低限にとどめる(本人以外が相談する際は本人の了解を得ておく)
- 本人が、自分で相談機関へのアクセス方法を探せないことも多いため、連絡先のメモを必ず渡す(相談機関に出向く必要がある場合は交通手段も確実に知らせておくことが、相談行動を高める支援になる)
- 本人が専門相談機関へ相談できた場合、その結果報告の義務はないが、相談を受けた者として「心配している」ことは伝え、必要があれば今後も相談に乗ることも伝える
相談機関の選びかた
健康問題を抱えている場合
相談先
- 医療機関
- 保健所
- 保健センター
詳細な健康問題は、ご本人から直接お話しを聴きたいということが多いので、その場合は本人に伝え相談につなぎます。
経済問題を抱えている場合
相談先
- 法テラス
- 弁護士会相談センター
- 多重債務相談窓口
借金の問題があって、「死ぬしかない」などの言葉を聴かれた場合に大切なことは「借金で死ぬことはない」というメッセージを本人に伝えることです。
その上で「まず、専門相談機関に相談してみよう」と勧め、本人の了解を得て相談機関と連絡を取り、相談の趣旨と相談方法を確認します。
相談する際に必要な書類を確認し、当日持参します。相談費用を気にして相談をためらう場合が多いので、遠慮せずに事前に確認することも大切です。
家庭問題を抱えている場合
相談先
- 児童相談所
- 女性相談センター
育児の悩みや家庭内暴力、親族の介護など家庭問題に悩んでいる場合は、児童相談所や女性相談センターなど、それぞれの問題に応じた専門機関にまず相談してみることを勧めます。
うつ病など精神疾患が疑われる場合
相談先
精神科病院などの専門医療機関
すでにうつなどの症状が明らかに見られる人は、専門医療機関へつなぎます。
適切な医療機関がわからない場合は、保健センターや保健所にお問合せください。
このページに関するお問い合わせ
健幸福祉部 保健予防課
〒302-0109 茨城県守谷市本町631番地の1(外部リンク)
電話:0297-48-6000 ファクス番号:0297-48-6319
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