宮下正吉(輝)さん(刀剣作家)
更新日 令和8年8月12日

修行で積んだ経験を頼りに
皆さんは、日本刀を間近で見たことはありますか?
日本刀は、日本独自の鍛冶製法によって作られ、武器としての役割を超え、その製法によって生まれる独特の美しさや芸術性から、信仰の対象や美術品としても、古くから大切にされてきました。
今回は、茨城県内で唯一の現役刀剣作家である宮下さんにお話を伺いました。
宮下さんが刀剣作家を目指したのは、大学2年生の時。就職を考え始めた宮下さんは、伝統工芸に興味を抱き、さまざまな工芸品の職人を検討していました。
その際、人間国宝である故大隈俊平氏の刀を見て感銘を受け、すぐに弟子入りを志願。大隈氏が高齢であったため弟子入りは叶いませんでしたが、そこまでやる気があるなら、と長野県無形文化財保持者である宮入法廣氏を紹介され、大学卒業と同時に弟子入りしました。
家族からは大反対されましたが、それでも刀剣作家になりたいという情熱があったから修行を続けられたそうです。
「言葉で教わるのは難しいので、師匠の仕事を良く見て、自分の目と感触を頼りに、経験で覚えてきました」とのことで、その修行の成果により、5年後に国の試験に合格し刀剣を作る資格を取得しました。
6年後には、現代の刀剣作家の登竜門ともいえる「新作名刀展(現:現代刀職展)」に初出展。努力賞のほか、新しく刀剣作家になった方1人に送られる新人賞を受賞しました。

その後も賞を受賞し、技術を身に着けた宮下さんは、育ったつくば市に戻り独立。筑波山がきれいに見える絶好の場所に工房「筑波鍛刀場」を構えました。
当時の心境を「ようやく自分の思うようにできるぞ、という気持ちと、これからは全部自分一人でやらなきゃという、わくわくと不安の両方を感じていました」と振り返ります。現在守谷にお住いの宮下さん。「つくばの自然に囲まれて育ったので、同じく自然の多い守谷に惹かれます。子育てもしやすいですね」と、守谷での生活について語ってくれました。
鉄の塊である刀身そのものが美術品として完成していることが、日本刀の魅力だと宮下さんは語ります。「宝飾品がなくても刀身そのものの美しさに感動する、そんな刀を自分も作りたいです」とのこと。刀に興味を持ったかた、ぜひ東京国立博物館や刀剣博物館を訪れてみてはいかがでしょうか。いつか、宮下さんの作品が飾られるかもしれません! 工房の見学もいつでも受け付けているそうですよ。

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